10分で幸せ☆月曜朝の恋愛小説~森川朔椰~

Posted on 2017/09/25 by おうちカフェスタイルマガジン

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おはようございます。

お年頃の女性の皆様!

月曜の朝は「10分で読める恋愛小説」を是非読んくださいね。

そして今週もハッピーに月曜の朝から恋のドキドキチャージして

ご自分の幸せをつかんでください☆

【森川 朔椰】





セミに乾杯


[ジ~!ジ~!ジジ~ッ!!]
「きゃ~!!いやぁ~~!!」

ぼすっ!!


俺の目線の先…逃げて行く男の子二人。俺の胸には柔らかな甘い匂いの物体…?

……はぁ~?


[ジジッ!ジ~!ジ~!!!]
[ジ~!ジ~!ジ~!!!!]
「いやぁ~~っ!!とってぇ~~!!(涙)」


……あぁ、そういうことね。

[ジジッ!ジジッ!ジ~……]
[…ジ…………]


「…お嬢ちゃん、もう大丈夫だよ」

俺は、俺の胸に妙にジャストフィットしている少女に声をかけた。


「……!!」
「…あのっ!…ごめんなさいっ
!!」

俺の胸から凄い勢いで飛びのいた少女。


……いや、いいけどね。

声を出そうとして気づく。

……やっべ~…少女じゃない…

少女のような華奢で小柄な女性が、決まり悪そうにうつむく。


「災難でしたね?(苦笑)」

「あ、あの…っ!…ありがとうございました…」

その女性は真っ赤になりながら頭を下げた。



その後…俺は駅前のカフェで、彼女からパンケーキを食べさせられる事になったのだった(笑)

……知らなかったけど、パンケーキって美味いのな(笑)


それが、俺たちの馴れ初め。


あの日…
悪ガキ二人に追い詰められた蝉が、彼女のパーカーのフードに飛び込んじゃった訳で。

だから俺は、俺だけは…
蝉を嫌いにはならないと誓った初夏の思い出だ。



*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*



また夏がやってきた。


彼女が俺の部屋にいる。

週末になると彼女が俺の部屋にきて、滞っている家事を片付けてくれる。


同じ行程の筈なのに、何故…彼女の手にかかるとこんなにも早く綺麗に進むのか…

「だって…圭吾、不器用だから」

瞳子は笑いを含んで答える。


……なんだよ、悪かったな。

俺が振り返るのと同時に…瞳子が俺の胸に飛び込んできた。

[ジ~!ジ~!ジジ~ッ!!]
「きゃ~!!いやぁ~~!!」

……デジャヴ…?


「…洗濯した圭吾のTシャツにぃ~~!!(涙)」


……あぁ、よしよし(笑)

[ジジッ!ジジッ!ジ~……]
[…ジ…………]


あの日と違うのは、彼女がそのまま俺の腕の中にいる事。

彼女が俺の腕の中から「圭吾?」と呼ぶ事…


俺が抱き締める腕に力を込めると、彼女も俺を抱きしめてくれる。


「なぁ?このまま、こっちに引っ越して来ないか?」
「蝉が…そうしろって言ってたぞ」


彼女が笑いながら
「…………」と答える。

丁度その時、蝉が窓に止まって鳴き出したから聞こえなかったけど。

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……まぁ、あれだな。

俺たちの蝉を巡る思い出は…今年も増えていくんだ、って事さ。

 

*⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*

 

次回もお楽しみに!!